オーバーハンドパス編

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オーバーハンドパスの基本動作の解説と上手くできない場合のチェックポイント

オーバーハンドパスはバレーボールの基本スキルであり、レシーブ、トスにも使用するため非常に重要なスキルです。しかし、バレーボールではボールを保持することがルールで禁止されており、両手でボールの勢いを吸収し、瞬時に狙ったところにコントロールして返球することはバレーボールをはじめたばかりのお子さまには難しく練習が必要です。上達のためには「ボールの落下地点に素早く入ること」「正しいポジションでボールを捉えること」「ボールにしっかりと力を伝えてコントロールすること」が重要です。

オーバーハンドパスの基本的な構え方

下半身は、前後左右にどこへでも動けるように両足を肩幅程度に開き、片方の足を半歩前に出し膝を軽く曲げて腰を起こします。このとき足の幅が広すぎたり狭すぎたりしていないかチェックしてください。片足を半歩足を前にだしますが、
左右どちらでも出しやすい方の足を出すようにしましょう。腰を落とす時は、膝が内側に入らないようにしましょう。膝を曲げて腰を落とすイメージではなく骨盤を前傾させ股関節に手が挟まるようにするとよいでしょう。この時、体重は若干前にかけると前後左右どこへでも素早く動けます。
両手は親指と人差し指で三角形をつくるようにします。手のひらは力まず、軽く開くようなイメージです。そして、その手をおでこからボール1個分くらいの距離に構えます。肩から指先まで力まず自然に自然に構えるようにしましょう。

素早くボールの落下点に移動する!

ボールの落下点まで素早く移動しましょう。ボールをヘディングするイメージです。ボールを受ける時は、体がのけ反ったり前傾しすぎていないかチェックしてください。

ボールをコントロールする!

ボールをトスする際の手は、肘と手首、下半身も柔らかく使い指の腹でボールを包み込むイメージで落下してくるボールの勢いを吸収しましょう。この時、手首を起こしボールの勢いを吸収するのではなく、両手の親指と人差し指を内側に引き込むようにして吸収することを教えて下さい。ボールをリリースする時は、両手の親指と人差し指を内側から押し出すようにしてボールが回転しないように押し返します。ボールに回転がかからないようにしましょう。そして、しっかりとコントロールするためにボールを最後まで送ることを忘れないでください。

上手くできない場合の対処法

●ボールの落下点に入れない場合1:ボールとの距離感がつかめていない事が原因の場合がよくあります。そのような場合は、投げられたボールをおでこでヘディングする練習をして感覚をつかんでみましょう。
●ボールの落下点に入れない場合2:足の運びがぎこちない事が原因の場合もあります。そのような場合は、基本姿勢がしっかりとれているか確認して下さい。
●パスが飛ばない場合:パスを出す角度が悪い場合や上手くボールに力が伝わっていない場合があります。パスを出す角度は45度を目安にしましょう。ボールに上手く力が伝わらない場合は、ボールを受ける時に体が伸びきって締まっていることがありますので、ボールを受ける準備をしっかりするようにアドバイスして下さい。そして地面から下半身、肘、手と力を伝えるイメージです。この時、力を伝える方向が一直線になるようにしましょう。この感覚を養うためにおでこでボールをキャッチし、全身を使ってボールを押し出す練習をするとよいでしょう。
●ボールの反動を上手く使えない場合:手首が上手く使えず固いことが原因の場合があります。手首が固いとボールの反動を上手く使えずパスが不安定になったり、ボールが飛びません。そのような時は、壁パスなどで手首をリズミカルに使う練習をするとよいでしょう。
●パスが左右にズレる場合:ボールをとらえる位置が体の中心からズレている場合や手や肘の位置など構えがバラバラになっている事が考えられます。そのような場合は、基本姿勢や構えをチェックしてみましょう。

【担当講師】 バレーボールを教えるコツ

氏名:田城 貴之(たしろ たかゆき)
所属:ヴォレアス北海道
役職:選手 ミドルブロッカー
【主な経歴】
私立とわの森三愛高等学校→筑波大学→パナソニックパンサーズ→ヴォレアス北海道